
いよいよ共通テストも終わり本命国公立の前期・後期・中期日程を決めなければなりません。
今回は、京大を受ける人の滑り止めのための中期・後期ではなく受けることすらできない人のための中期・後期選びとなります
まず、2025年度の共通テストは例年より易しかったようで去年までのボーダーより上がっているようですね。それでも今年は共通テストが例年より遅かったせいで願書〆切の2月5日必着までに時間の余裕がありません
今年の共通テストのボーダーラインがいち早くでるのは河合塾のKei-Netです
ここで志望校のボーダーを確認しながら決めていくことになります
(学校の先生はもう少し厳しめの判定内容を確認できるようです)
※受験素人の親が調べた内容です。最終的に学校の先生や塾などの受験のプロに相談して決めてください。もちろん本人にも・・
私の息子の場合は、残念ながら京大はおろか共通テスト前に「挑戦するなら神戸大、安心なら広島大」と言われていた神戸大ですら挑戦するには危険な点数でした
経済的理由で浪人はとてもさせられない事から神戸大からさらにもう1つ下げて選んだのが「大阪公立大学」の前期
前期:大阪公立大学に決定

大阪公立大学の中期は、「前期で実際に京都大学、大阪大学を受験する学生が抑えに受験する大学」なので工学部の前期では73~76%ボーダーですが中期となると80~83%と難しくなります。(後期工学部はありません)
ですが前期では73~76%と中期に比べ比較的受験しやすいボーダーとなります
同様に前期で安心と言われた広島大学も後期となるとボーダーが上がり合格がかなり難しくなります
前期で安心の広島大学で親が安心させてもらいたいのですが、本人からすると少しでもいいところにチャレンジしたいとう願いと大学の立地が田舎であることから行きたくないようです
田舎にくらす学生にとって大学である程度の都会へ出ることも一つの夢であり、偏差値の低い高いに関係なく東京、大阪、京都近辺へ出たいと望んでいる学生が実はほとんどです。(あまり言葉には出しませんが)内心、立地もかなり重要な条件となっているようです。(広島大学は広島といっても東広島で田舎です)
話は戻って、大阪公立大学の2次試験は数学、理科、外国語(英語)です。出願は第3希望まで選ぶことができます
3つ目の希望学部はボーダーで選ぶ?募集人数で選ぶ?
第1志望、第2志望までは決まりましたが第3志望が決まりません。どうしてもその大学に合格したいなら比較的ボーダーの低い学科を選ぶべきなのか?それとも募集人数の多い学科を選ぶべきなのか?
学校の先生に相談すると募集人数が少なくてもボーダーの低い学科を第3に入れるべきだと助言されました。例えば大阪公立ではマテリアルが低めですが募集人数が10人、機械だと少し上がりますが44人となります。さすがにどうしても興味がもてない学科を除けば募集人数が少なくてもボーダーのちょっとでも低い学科を選んだ方がよいようです
中期:受験なし
中期で受ける大学は工学部の場合かなり限られていて近畿地方では大阪公立が有名ですがそれ以外は同じレベルの大学がほとんどありません。(関東なら横浜国立大学も狙いめ)
今回は各地へ移動する心身の疲弊とそれぞれの大学の試験対策の難しさから中期の受験はしないことに決定。
後期:九州工業大、和歌山大、鳥取大、滋賀県立大?
今回頭を悩ませたのは後期の受験です。
後期は、本人からすると失敗を意味し、あまり考えたくない大学。前期なら安心して受験できた大学も後期試験となると合格が難しくなります
そこで考えた後期受験リストがこちら
2025 | 後期 | ボーダー率 | |
兵庫県立大学 | 工学部 | 電気電子情報 | 444/600 (74) |
九州工業大学 | 工学3類-後 | 562/770 (73) | |
九州工業大学 | 情工3類-後 | 554/770 (72) | |
和歌山大学 | システム工 | 759/1100 (69) | |
山口大学 | 電気電子工-後 | 528/800 (66) | |
滋賀県立大学 | 電子システム | 660/1000 (66) | |
高知工科大学 | システム工 | 585/900 (65) | |
徳島大学 | 電気電子シス-後 | 410/650 (63) | |
愛媛大学 | 工(理型)-後 | 473/750 (63) | |
鳥取大学 | 電気情報系-後 | 389/660 (59) |
合格しても行きたくなければ受験する意味もない
いくら合格しても本人が行きたくないと言ってしまえば受験する意味すらありません。そのことを考え最悪前期が合格できなかった場合でも納得して4年間通える大学を相談しながら選びました
後期 九州工業大学(後期ボーダー72%~)

↑類によって配点が違うため判定をしっかり見極めたいところ(実際大差なし)
まず考えたのが九州工業大学
九州工業大学は立派な国立大学で就職率も有名大学を抑えて上位にあがる名門です
立地は情報工学部と工学部によって違いますが北九州はそれなりに都会です。
ただし全国的な知名度は低く、なぜか私立の大学と勘違いされていることが多いようです
ここなら後期のボーダー判定的はA~C(学科、類による)第3希望まで同時に出願できるため募集人数が少なめでもなんとかなるのでは?と考えました。
いろいろ調べると工学部ならボーダーが同じくらいの兵庫県立大より規模が大きく就職にも有利なことからどうせなら九州工業大学の方がよいという結論に・・
ところが学校の先生の意見は違いました
まず、後期九州工業大学も合格圏内ではあるが・・
九州工業大学は、九州大学を落とした人が抑える大学でボーダー判定よりも実際難しくなること。2次試験は理科(物理・化学)と数学のどちらか選択できるのですが理系分野に強く尖った学生が受験するので平均力勝負の息子では負ける可能性がある。前期大阪公立も安心とは言い切れないので後期も九州工業大学だと確実とは言えず後期も攻めるのは勧めないとの事でした
後期 和歌山大学(後期ボーダー69%~)
続いて偏差値的に高い和歌山大学。こちらを学校の先生から勧められました。
システム工学部では1年次は教養基礎を学び2年から専門分野の学科・メジャーを2つ選べるようです
(これは九州工業大学も同じようなシステム)
定員も110名と多く和歌山県内の学生には人気です。
後期の2次試験は理科、数学からの総合問題となります
※総合問題は、「数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学C」、「物理基礎、物理」、「化学基礎、化学」で学ぶ内容の理解を前提として、これら3分野のうち2分野の問題を選択とします。
偏差値的には後期で選ぶ大学として問題ないのですが、立地が田舎・・観光地で有名とはいえ上の大阪まで1時間、下の南紀白浜ワールドまでもかなり距離があり正直大学付近はなにもない様子
全国的知名度も低い・・
息子はあまり乗り気ではありませんでした
後期 その他
■山口大学(後期ボーダー66%)
山口もかなり田舎・・
■滋賀県立大学(後期ボーダー66%)
滋賀県立大学はあまりに募集人数が少ない。ほとんどを滋賀県内から推薦でとってしまいますので県外の人間を入れる気がないようにみえたので独断と偏見で却下。
■鳥取大学(後期ボーダー59%)
鳥取大学は日本海側に面した大学で2月の雪が降る時期に受験場にたどり着くことすら厳しくなる可能性を考えて却下。(実際今年は大寒波でとても無理そうです)こうした受験シーズンと立地について選択肢から外すことも考慮にいれてください
後期:和歌山大学に決定
九州工業大学と和歌山大学でかなり悩みましたが結果和歌山大学を選択。
理由は・・
①前期で絶対に合格する(したい)ので後期はどちらでもいいという息子の意見
②試験問題の難しさ
どちらの大学にしようか悩んだ時、最終的に過去問を見て決めることをお勧めします。息子が過去問を見た時、九州工業大学の数学が予想以上に難易度が高かったことに気づきました。前期が不合格だった場合の心理状態も考えると難易度を下げようというところです
息子も受験勉強にかなり嫌気がさしており後期試験ギリギリまで追い込むのは無理だと本人も親も判断しました
前期で合格すれば何も問題ないのですから・・
※実際に前期試験を終えた後の息子は完全に燃え尽きており・・(なぜか合格したことを確信している)合格発表までの間好きなだけ寝たり、今までやりたかったことを片っ端からやってみたりと・・後期受験に備える気がまったくありません。後期試験は難易度を落としておいてよかったのだと確信しました。
和歌山大学と関西大学どっち?
これも調べるとかなりの書き込みがネット上にあがっており様々な意見が飛び交っていますね
私大と国公立で比べるのは間違っていますが、関西大学の方が知名度はあり和歌山以外での就職なら有利だと言えます。
しかし答えは学部で、文系なら知名度のある関西大学を選ぶこともありだとおもいますが、理系になると研究費などの大きな違いがあり絶対に国公立に行くべきなのです。(個人的意見)特に今まで7教科でがんばってきたのですから・・
最後に
一歩踏み外せば地獄
高校3年の初めまで京大をめざしていた息子。3年になって数Ⅲ、Cが難しく感じるようになったようです。共通テスト本番のちょっとしたミス(特に情報)、前期への挑戦で失敗すれは偏差値を下げた後期受験・・
共通テストの結果次第で本命志望校を受けられない精神的ショックから短い時間で別の大学の受験対策・・私大受験も2月の雪での通行止めで受験すらできない可能性・・1歩踏み外すだけで難関大学→国公立→偏差値を下げた後期国公立→私立→浪人と真っ逆さまに奈落の底まで突き落とされる大学受験。この精神状態で更にもう1年間試験勉強を続けるのはかなりの苦行です。
本当に大変な世界だと思います。せめて2月の受験はなんとかならないのでしょうか・・
大学だけが人生ではありませんが、この頃はまだわかる余地もないでしょうね・・
特に勉強をそれなりに頑張ってきた子供にとってははじめの一歩の踏み外しが命取り、地獄です
実際に前期試験の前日、下の娘が熱を出し・・息子は試験から帰宅翌日熱を出すという事態になりました。1日ずれていたら完全にアウトでした・・
一般の人の大学のイメージはめちゃくちゃ
はじめて自分の子供になって国公立大学、私立大学の受験のシステム、ボーダー、偏差値などの情報をいろいろ調べましたが受験に関係ない世の中の人の大学のイメージ、知名度、偏差値はほとんどめちゃくちゃだという事がわかりました
東大、京大が凄いのは知ってるけど阪大って聞いたことなかった・・とか、九州工業大学って私立?って人も沢山いますし大阪公立?どこ?簡単な大学?って人も沢山います。中小企業の人事担当くらいなら理解せず採用の決断をしている企業も多いのでは?と思います。理不尽な世界・・それだけ大学が知名度にこだわる理由もよくわかります
逆に受験勉強をがんばった人は、たとえ競争に嫌気がさしたとしてもここまでの評価をちゃんと理解してくれる大企業の中で働くことに意味があるのだと思いました
受験に詳しくなっても合格はしない
河野源斗さんで有名ですが、「受験に詳しくなっても大学には合格しません、勉強してください」
私は親として詳しくなりましたが、子供が受験直前に時間を割いて受験に詳しくなっても希望の大学に合格できるわけではありません。学校でも個々に細かく考えてはくれません。受験戦略はもっと早めに子供に理解させるか親の仕事でしかないのだと思います
もし次に娘が大学受験をするなら・・
娘は来年中学1年生、学力については海の物とも山の物とも知れません。もし少し勉強ができるなら・・
①高1で高い志望校を先生に勧められたとしても現実の厳しさを親から告げておく
もちろん高校1位でA判定なんてトップクラスの成績なら別ですが、公立高校で理系文系に分かれると自分がどれくらいの位置なのかだんだんわからなくなります。ついていくだけでも大変な高校3年間の勉強を全試験教科9割なんてどれだけ大変なのか、志望校へ合格できるボーダーを早い段階で助言します
②少しでもいい推薦の話があったら迷わず受けさせる
学校推薦をもらえれば国立受験のチャンスは、推薦→前期→中期→後期と1回増えます。早めに大学受験を終わらせることがどれだけ楽かもう親が言わなくても兄をみて学んだかもしれません
③特別やりたい事がなければ文系を勧めて4年で卒業してもらう
これは個人的家計の理由ですね・・
あと2週間と少し・・早く安心したいですね
④小さいころから勉強する習慣を・・
私は、小学生までの勉強はさほど意味がないと考えていました。なぜなら小学生までの勉強は脳が発達すれば自然とできるようになると思っていたからです。(時計の読み方など・・)
小学生までは好きに遊ばせて中学からの勉強に備えるという教育方針でしたが、今思うと小学生の勉強内容はどうであれ普段勉強する習慣づけの大切な時期であることに気づかされました。
今回、割りに自頭がよい息子に足りなかったのは勉強量で、最後まで勉強する体力や習慣づけができていなかった事が理由だと本人も話していました・・
前期で京大が受けられる人の中期、後期
それでは、最後に息子の同級生が実際に京大を受験したパターンを紹介します
①浪人も覚悟、共通9割越え強ツヨパターン
一人は、京大模試で現役で冊子にも載る秀才タイプ
私大「同志社大学」⇒前期「京都大学」⇒中期「大阪公立大学」⇒後期「神戸大学」
一般人には、かなり攻めのパターンにも見える難易度の高い受験日程ですが、実際に京大を受けるレベルの人にとっては、中期の大阪公立も十分滑り止まる選択。後期で神戸大に滑り止まれば神戸大へ進学、もしくは神戸大を蹴って浪人のパターン。
大阪大学の後期日程がないため2ランクダウンの神戸大で満足できない人も多く浪人もできる人のパターンです。実際このパターンで受験する京大志願者は多いようで息子の同級生は、このパターンでみごと合格しこの春「京大生」となりました。
②共通8割前後、慶応を滑り止めにおさえての気持ち楽々パターン
私大「慶応合格」⇒前期「京都大学」
私立最難関の早慶なら関西の同志社よりも京大の滑り止めとして安心感が高く、京大を落ちても慶応に行けばいいという比較的楽な気持ちで京大受験ができます。
今回息子の友人の場合、元々が慶応第一志望。京大は、先生に記念受験とまで言われましたが結局みごと合格しちゃいました
W合格して選んだのは「慶応」!先生陣には「京大だろっ」て何度も言われたみたいですが合格した学部が本人の第一希望でなかったようです。京大では、2年からの変更も可能らしい話もありますが元々の第一志望の慶応を選んだようです
③共通8.5割越え、浪人できない人のパターン
家庭の事情もあり浪人が難しく、お金のかかる私立も避けたい人のパターン
私大「同志社大学」⇒前期「京都大学」⇒中期「大阪公立大学」⇒後期「九州工業大学」
私の家計もそうですが、東京の私大へ行かせるお金もなく浪人で予備校へ下宿させる余裕もない家庭の秀才。国公立大学進学が前提で絶対浪人もできないから京都大学を失敗すれば中期は大阪公立、そこも中期受験としては難関なので後期九州工業大学でいくらランクを落としても確実に国公立にに進学するしかないパターンとなります。
さすがに京大を受験する学生が前期「京大」を失敗したからといえ、後期「九州工業大学」を落とすことはほぼないので中期「大阪公立」ですべり止まるかが最大のヤマ場、今年の中期大阪公立大工学部の倍率は7.9~67.8倍。7.9倍でも500人が落ちるという狭き門になっています
前期「京都大学」で失敗すれば後がなくメンタルもかなり追いつめられる受験パターンですが浪人がでないなら確実に合格をおさえるしかありません
結論 京大を受験するなら1浪は覚悟した強いメンタルが必要
私個人の結論として、共通8割前後でも合格の可能性がない訳ではなく、逆に共通がいくら良くても2次試験ができなければ合格できない「京都大学」を受験するには、当たり前に浪人や東京の早慶も視野に入れた強いメンタルがないと受験すら難しいのではないかと思います。
浪人しても今年より共通テストの点が採れる保証はありません、今年合格していた大学にすら来年は受からない可能性もあります。
言い換えれば、家計の財力や親の覚悟も相当必要になる大学であり、本人以外に親も「この苦しい受験をもう1年続ける」強いメンタルが必要です。
先輩の受験体験談は鵜呑みにするな
高校では、難関大学合格者が後輩に受験体験談を話すという貴重な時間があります
しかし、すべて鵜呑みにしてはいけません。
高校側から事前にかなり釘をさされて事実が押し曲げられている事を最後にお伝えしておかねばなりません。
実際に高校側からは、「高校の授業と課題をしっかりとやって・・・」といった話をさせられたようですが実際には、難関大学合格者は自分自身で考え、高校で地理しか教える先生がいなかったら独学で世界史を選択したり、「文転」したりして様々な選択を自分でやってきた結果であること。
高校の課題やテストが人によっては大学受験の妨げになる場合もあることを最後に付け加えておきます。
人によって勉強のやり方が違い全員が同じ勉強方法で合格できないのは当たり前の事。有名進学校に入ったからといっても安心して自分で考えなければ難関大の合格は難しいようです。
※注)受験生のただの親が子供との話を交えて勝手に解釈した内容です。
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